インタビュー記事が掲載されました!
当相談室が入るシェアオフィスからインタビューを受けました!
シェアオフィスのホームページに掲載されている記事ですが、セキュリティの関係でオフィス名は伏せております。当相談室ホームページでも公開OKとのことで記事の一部を掲載いたします。記事内のオフィス名は「シェアオフィス」に置き換えてあります。
いのうえ心理相談室
民間カウンセリングルームの必要性
いのうえ心理相談室の開設
井上さんは日向市のご出身なのですか
はい、日向市出身です。大学から京都に進学し、大学院で臨床心理士の資格を取得しました。そこからしばらくは関西でスクールカウンセラーとして勤務しておりましたが、六年前に地元の日向市に戻り、国家資格である公認心理師も取得しました。今は宮崎県内でスクールカウンセラーとして勤務しています。
長くスクールカウンセラーを続けていらっしゃるんですね。なぜ、いのうえ心理相談室を開設しようと思ったのですか
スクールカウンセラーは、生徒や保護者からの相談を受けたり、教員の先生方から生徒に関する相談を受けたりすることが仕事です。先生方のメンタルヘルスケアは職務外になるのですが、日々学校で仕事をしていく中で、先生方のメンタルヘルスケアの必要性を感じるようになりました。
近年、社会問題でもある教員不足により、先生方の労働時間や業務負荷が増し、メンタルヘルスもまた、危機的な状況にあります。さらにこのコロナ禍で、病院でカウンセリングを受けられなくなった時期があり、たとえ受けたくても忙しい先生方はなかなか休みが取れない、といった現状を目の当たりにしました。そこで、病院が開いていない時間でもカウンセリングが受けられる、民間のカウンセリングルームが必要ではないかと思うようになりました。
それで、いのうえ心理相談室の開設を決めたんですね。周囲の反応はどうでしたか
先生方を含め、周囲から大変喜んでいただきました。都市部では、こういった民間のカウンセリングルームがたくさんあって選択肢があるのですが、宮崎県内の特に県北(北部地区)では民間のカウンセリングルームはなかなかありませんでした。カウンセリングを受けられる場所が病院だけとなると、主治医の判断で受けられるかどうかが決まりますので、受けられる方は限られてしまいます。以前から、民間のカウンセリングルームがほしいという声もあったようで、相談を希望した人が受けられる環境の必要性をより強く感じました。
求めている人に届く相談室
実際にどのような形で相談に応じられていますか
普段はスクールカウンセラーとして勤務しているので、相談室の開室は金曜と土曜が中心です。夏休みなどの長期休暇中は、その他の曜日も相談に応じる予定です。相談はオンラインと対面のどちらかを希望に合わせて選んでいただきます。オンラインは金・土曜の22時まで、対面は土曜のみ20時までと対応できる時間は異なってきますが、病院になかなか行くことのできない教員の方にも多くご利用頂きたいと考えているので、夜遅い時間まで相談を受けられるようにしています。また、将来的には対面相談のほうで、県内でも受けられるところの少ない、箱庭療法を取り入れていきたいと考えています。
箱庭療法というのは、どういったものですか
72cm×57cm×7cmというサイズの箱を使います。中に砂を入れるのですが、箱の内側は水色に塗ってあり、砂を掘ると水や海を表現することもできます。カウンセラーが見守る中、相談者が人形や木といったミニチュア玩具を置いたり、砂で自由に何かを表現したりといった、遊びを通して行う非言語的心理療法の一つです。基本は言語でのやりとりを中心にご相談を受けますが、その中でご本人が希望された場合は必要性に応じて適宜行います。お話をするのが苦手な方やまだお話で気持ちを表現することが難しい年齢の子どもさん、辛い目に遭われてうまくお話が出来ないような場合でも、言語で表現する負荷を減らして自分の気持ちを表現することができる方法です。ゲームの普及や、コロナ禍で外出機会が減ったことで、直接物に触れて感じる機会が少なくなっていると思います。箱庭療法は、砂を触るだけでも気持ちが落ち着く効果があり、心の問題にアプローチできると言われています。
この箱庭を将来的にはシェアオフィスに準備していきたいと考えています。
お問い合わせ
いのうえ心理相談室
代表:井上有紀
宮崎県日向市出身、公認心理師・臨床心理士。 宮崎県内の学校でスクールカウンセラーとして勤務する他、心理相談室を開設。相談室は金・土曜日の夜間も相談を受け付けており、なかなか病院に行けない教員のメンタルヘルスケアに重きを置く。
<経歴> 日向市出身、京都の大学に進学し大学院を経て臨床心理士の資格を取得。箱庭療法を取り入れたスクールカウンセラーとして勤務。六年前に地元の日向市に戻り、国家資格である公認心理師を取得。現在、宮崎県内でスクールカウンセラーを続けている。近年、教員不足から教員の労働時間や業務負荷が増え続けている中、教員のメンタルヘルスケアが十分に行われていない環境に疑問を感じ、民間のカウンセリングルームとしていのうえ心理相談室の設立を決意。